講師インタビュー ⑧

SUGAR(シュガー)

占星術界のホープ『SUGAR先生』にお話しを伺いました!!

アルカノン(以下アル):SUGAR先生が「占術」に興味を持ったきっかけはなんでしょう?

SUGAR シュガー 西洋占星術 占い 講師 講座 鏡リュウジ 『占い』にはまったく興味がない子供時代でした。
ただ、怪奇現象やUMAだとか、そういう不思議なことは大好きで、SFやオカルトものを愛読していて。
その中でも特に印象深いものが、星新一の『ご依頼の件』に収められている短編『夜の会話』。
これは小学5年生の時に読んで衝撃を受けました。
『夜の会話』は単なるSFではなく、『唯識論』的なテーマを扱っています。
簡単にまとめると【人間の無意識的な願望が宇宙人を産み出している】ということですね。
ストーリーと書評については、僕がまとめて書いたサイトがありますので、興味がある人は是非お読み下さい。 SUGAR『ご依頼の件』書評 中学3年の時に佐野洋子氏のベストセラー絵本『100万回いきたねこ※』をユング心理学的に読み解く授業を受けました。
そこから自発的にユング心理学の入門書や河合隼雄先生のご著書を読むようになり、『もしかして占いは集団的無意識に通じるのでは?』と考えるようになりました。

私たちの無意識下の働き・構造・法則性を学ぶジャンルとして『ユング心理学』があることがわかった後、鏡リュウジさんの『魂(プシュケー)の西洋占星術※』(学研エルブックス)を読んだところ、ユング心理学と占星術は似ていると指摘されていて大変に驚きました。
そこからですね、占いというか占星術に興味を持ったのは。

当時、家庭でも色々激動があり・・・
バーチャルリアリティ(仮想現実)とか、無意識の働きについて知らないといけないんだと思い込んでいました。
しかしユング心理学を本格的に学ぶのは敷居が高いし、資格も必要なのか解らない・・・
占星術なら高校生の自分でもやれるかも?と思ったんですよね、根がせっかちなもので。

『未来を知りたい・自分を知りたい』という期待も多少はありましたが、やはり意識できていない無意識下の働きを知りたかったです。
夢物語ではダメで、緊密なリアリティーを持った世界を知りたいという好奇心が原点です。

用語解説

【100万回いきたねこ】
200万部を超えるベストラー絵本。
一匹の猫が輪廻転生を繰り返していく様を描いた作品。
子供より大人からの支持を得ているとの評価も見られ、「絵本の名作」と呼ばれることも少なくない。
読み手により様々な解釈が考えられるが、それまで心を開かずに虚栄心のみで生きていた猫が、恋をして家族を持ち、大切な人を亡くすことで、はじめて愛を知り悲しみを知る…という、シンプルだが深いストーリーが印象的な作品である。
/wikipediaより 【魂(プシュケー)の西洋占星術】
鏡リュウジ先生の初の著作、日本の占星術業界にセンセーショナルな影響を与えた歴史的な一冊。
楽天ブックス:https://books.rakuten.co.jp/rb/470107/

アル:まったく普通とは異なる流れから占星術にたどり着いたのですね。学生時代、占星術の本を読む男子は目立ちませんでしたか?

SUGAR シュガー 西洋占星術 占い 講師 講座 鏡リュウジ 高校生の時は、男子校で周りも好き勝手なことをしていたせいもあり、僕も休日は文字通り朝から晩までホロスコープを書き検証していました。
ユング心理学と占星術との繋がりを教えてくれた鏡リュウジさんの書籍を筆頭に、石川源晃さん、松村潔さん、そして魔女の家Booksなどを手当たり次第に読んでいましたね。
今思うとやや変わった高校時代でしたが好きなことに集中できて幸せでした。

アル:占いのプロになった経緯を教えて下さい。

SUGAR シュガー 西洋占星術 占い 講師 講座 鏡リュウジ もともとユング心理学に関心を持っていたので、進路を考えるときに臨床心理士も候補にありました。
しかし、『自分は火の要素が多いし、振り返ってみても優しくはないし、心理カウンセラーとか無理!』とも思って。
結局、大学の専攻選びでは心理学科は外して哲学を専攻しました。
今振り返ると発想が幼かったですね、火が強い優秀なカウンセラーなんて山ほどいるのに。

在学中はドイツの哲学者マルティン・ハイデガーや新プラトン主義のプロティノスを特に学びました。
特にハイデガーの『存在と時間』、プロティノスの『エネアデス』。
これらは今の自分を作ってくれている大切な要素だと思います。

卒業してからは、あるベンチャー企業で法人営業などをしていました。
ところが、ある印象的な出来事があったんです。

取引先の社長と飲んでいた時、社長がポツポツ語り出したのですが・・・
その会社は過去に一度、『神戸震災』で事業所がメチャクチャになってしまったそうで。
気の毒だなぁと思って聞いていたのですが、社長は意外な形で話しを結んだんですよ。

『経営者として震災が起こるまでは、常に会社を大きくしなければというプレッシャーに苦しめられていたが、いざ壊れた事業所を見た瞬間に不思議と肩の力が抜けた。』

社会活動していても、その外側にある人智を超えた圧倒的な力にはどうにもならない運命というか・・・
我々のいるこの世界は人間のコントロールを突き抜けた遥かなる力には抗えないってことを話してくれたんですね。
その話を聞いて、このままサラリーマンやっていていいのかと疑問を持ちました。
リーマンショックの影響も受けて、ちょうど会社が退職者を募った時点でスパッと辞めました。

当時、取引先を主に単発の鑑定はしていましたが、収入面については完全に見切り発車。
ただ、不思議とそのタイミングで『not for sale※』の話があったり、家族のことがありまして。
2008年は色々なタイミングが重なり、結果として背中を押される形になった気がします。
『よし!プロになる!』みたいな悲壮な大決意とかなく『とりあえずやるか。』といった感じでしたね。

用語解説

【not for sale】
SUGAR先生が属するメンズ占いユニット。
公式サイト:http://not-for-sale.jp/

アル:講師、鑑定、執筆と多岐にわたってご活躍ですが、一番好きなのは?

どれも好きですが、強いていうと『講師活動』かな。
なぜなら、自分が研究したいテーマを選べて自由に構成できるし、何より好きなように語れるし!

確かに準備は大変ですが、その準備期間が僕にとってずっと勉強期間になる。糧になり続けるんです。
もちろん自分の好きなテーマを研究するばかりではなく、受講生のために一定のレベルを目指すので、直前までずっと苦しんでいます。
講座直前まで焦点を絞って考え続けるイメージですね。

ラクシュミー先生質問:鑑定の場合『女性のクライアント』が多いと思いますが、恋愛相談について特に気をつけることはありますか?

SUGAR シュガー 西洋占星術 占い 講師 講座 鏡リュウジ ズバリ、性的(セクシャル)なことです。
クライアントが女性の場合、男性である僕に対して性的な問題については質問しにくいでしょう。
こちらも、どこまで踏み込んだらいいのか考え始めるとキリがないし正直悩みどころです。

問題の原因が『そこ』にある場合は言及を避けられませんが、深い話を聞いている内に妙な雰囲気になることも(汗)
だから性的な相談を受ける際は完全な密室は避けて、人の気配がするくらいの半個室でするようにしています。
クライアント側は悩んでいて必死ですから、適切な距離感を保つよう注意しておく必要もありますね。

アル:これから占いを学ぶ方、占いのプロを目指す方へのメッセージ

SUGAR シュガー 西洋占星術 占い 講師 講座 鏡リュウジ 『占い』を学びたい方は映画・文学・ドキュメンタリーに親しんで下さい。
占術の技法を覚えるのではなく、まずは自分の感性を磨く。人生の様々なパターンを追体験することが大切です。

また、大前提として『占いのプロを目指す方=金銭的にシビア』。
一儲け・成り上がりを期待している人は早々に幻想を捨てちゃって下さい。

あと、金銭面が厳しい反面『○○先生!』とかチヤホヤされやすいんですが、甘い罠であり落とし穴ですね。
そこで舞い上がってしまってしまうと、これまで満たされなかった『自己顕示欲・承認欲求』が暴走してしまう。v 確かに占い師は特殊な存在ですが、それを幼稚な変身願望や慰めに利用してはならないんです。
そういった勘違いは占い業界全体のレベルを下げる要因の一つであり、同業者はすぐ見抜きますから敬意を持たれません。
占い業界は狭く濃い世界ですから、重々気をつける必要があります。
だから金銭的にシビアなだけでなく、『精神的にもシビア』と言えますね。

当然、勘違いは業界関係者だけでなく『クライアントとの関係』にも影響します。
真摯に鑑定を続けていれば、お客さんに『あなたほど素晴らしい占い師はいない!』と讃えられる機会がある。
そこで未解消の欲求が蠢きはじめると、必ず関係性に反映されます。
結果、共依存など不幸なループに陥ってしまう。

これは自戒を込めた話でもあるのですが・・・
結局、占い師を仕事を続けられるかどうかは『何があろうと自己観察をし続け、時にお客さんや生徒さんからのスーパーバイズもきちんと受け入れるかどうか。』ではないかなと思います。

アル:鏡リュウジ先生について、親しいSUGAR先生から見た鏡先生とは?

SUGAR シュガー 西洋占星術 占い 講師 講座 鏡リュウジ この世界の牽引している大先輩であるのに関わらず、常に研究を怠らない姿勢には頭が下がります。

海外で開催される占星術のカンファレンスにおいて、日本を代表とするスピーカーとして発表できる先達がいるという点でもとても心強いです。

鏡先生のご自宅は、まさに図書館!
いつも僕に本を紹介してくれるので刺激になりますし、作ってくれる飯もうまい(笑)
健康管理や自己管理能力も半端なく高い、公私ともに見習いたい大先輩です。

アル:アルカノン・セミナーズに求めること、これからの占い教育について

アルくん アルカノンセミナーズ 占い学校 占い 学ぶ 東京 通信 占い学校として、占星術を始めとする占術を『一つの文化』として提示していって欲しい。
海外だと色々な機関が連携してカンファレンスやサマースクールなどをを開催しています。
しかし、日本国内だとまだバラバラというか・・・まあ、大人の事情もあるとは思いますけど。
例えば、ある程度の規模の占星術サマースクールを各スクールが連携して開催してもらえたら盛り上がりますよ!

講座としては占いの技法だけでなく、哲学・心理学・美学・歴史学・基盤となるオカルティズム・文学的なもの・象徴学など、文化的な背景をすくい上げる良質な講座を提供していって欲しいです。

それから、根本的に『占い・占い師』という存在の立ち位置について。
我々は『現代の科学的思考』や『社会のスタンダード』にすっぽり収まるようなものではなく、常に片足を反時代的なところに置いている『自己矛盾を抱えた存在』です。
そこを勘違いしないという点も大切にして欲しいです。

アルカノン・セミナーズさんには、占いが本質からずれることなく、人の心や無意識の働きに寄り添えるものであるようにして欲しい。
技術の習得・お金を稼ぐ手段の教授だけではなく、占いに対するリテラシーをしっかり教育しつつ、文化的な背景を支えるポジションであり続けてほしいです。

アル:これからの研究テーマはなんでしょうか?

SUGAR シュガー 西洋占星術 占い 講師 講座 鏡リュウジ 占いに携わるものは、もっと『悪』への感性を磨くべきだと思っています。
不運・不適応・モヤモヤ感・・・
占い師が扱う『はっきりした理由はないけど、何か足りない』といった感情には、どうしたって本質的に悪・狂気的な要素を含んでいるものですから。

あとは、日本語で占星術を極めていきたいですね。
どうしたって、占星術用語は英語じゃないですか。メソポタミアから発生して、暦を通じて東へと来たもの。
アスペクトやサインなどの用語も全て英語。

我が国に伝わった占星術を『日本ならではの四季を織り交ぜた季語』や、その根底にある自然観や宗教観との対応の中で表現できないか。
新たなイメージングを考えていきたいです。

SUGAR先生、本日は長時間ありがとうございました!!

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